旅立ちの時 ("Running on Empty"1988)

これまで見た映画の中で最も忘れ難いこの作品を初めて見たのは、もうかなり昔。
思いきり泣ける映画だよと薦められたのが、この映画と出会ったきっかけです。

リバーの美しさと繊細な演技に見惚れて、全編に渡って感じられる家族の絆に見ている間涙が止まらず...そして、エンディングの父親の言葉に、どっと涙が溢れ...映画であんなに泣いたのは初めてだっと思います。
後にも、ないかも。

それからも何度か見ていたけれど、最近になってDVDを買ったきっかけは、ドラマ「NUMBERS」でドン&チャーリー兄弟のパパ、アラン役としてジャッド・ハーシュと再会したこと。
「旅立ちの時」では、リバー・フェニックス演じる少年の父親役でした。

久しぶりに見直してみると、初めて見た時はリバー演じる少年を中心に見ていたのが、今はジャッド・ハーシュ演じる父親と何よりクリスティーヌ・ラーティ演じる母親により感情移入しながら見ていました。
だから、以前より余計に泣けてしまった気がします。

旅立ちの時 ("Running on Empty"1988)
高校生のダニー(リバー・フェニックス)の両親アーサー(ジャッド・ハーシュ)とアニー(クリスティーヌ・ラーティ)は、反戦活動家として砲弾製造工場爆破して人を傷つけることは意図していなかったものの重傷者を出してしまいテロリストとして指名手配されFBIに追われる身。
一家には10才の弟もいる。
次男が自立できるようになるまでは、自分たちの手で育てたい。
偽名を使い、FBIの追っ手が迫ると転居を続ける生活。
アーサーとアニーは、それぞれの両親と会うこともままならず、彼らは孫の顔も知らない。
そして、アーサーは、母の死をその1ヶ月後に知ることに。
それでも、一家はお互いに愛し合い支え合ってきた。

そんな生活を小さな子供の頃から送って来たダニーが、新しい土地で出会った音楽教師にピアノの才能を見出され自分の可能性を考え始める。
その上、その教師の娘ローナ(マーサ・プリンプトン)と恋に落ちることに。
両親に内緒でニューヨークのジュリアード音楽院のオーディションを受けるものの、彼にとって音楽の道を目指すことは両親との別れを意味することに。
そして、またいつ今の土地から逃げ出すことになるか分からないダニーには、ローナと深い関係に落ちることを躊躇させる。

音楽教師からの話でジュリアードの件を初めて聞かされたのは、母アニー。
ダニーにピアノを教えたのは彼女だった。
アニーは、ダニーを逃亡生活から解放することを考える。
ニューヨークの名士である自分の両親に彼を託すのだ。
ところが、父親のアーサーには息子を手放すことなど受け入れられない。
もちろん、アニーにとってもそれは容易なことではない。

そんなアーサーとアニーのかつての活動家仲間で2人の居所を知っている1人が銀行強盗で捕まってしまう。
彼らは、また新しい土地を目指すことに。
ローナに別れを告げ両親と合流したダニーに、アーサーが告げる。

ダニーが荷台に載せた彼の自転車を降ろすようにと...

アーサーのダニーへの深い愛情と決断が胸に迫り、ダニーが旅立ちの時を迎えた清々しさで感動で胸が一杯になり、涙が溢れ出してしまいました。
そんなエンディングやローナも交えて皆でダンスするアニーの誕生日パーティの場面、ダニーとアニーが一緒にピアノを弾く場面やアーサーの頬にダニーがキスする場面、親子の愛情に溢れた場面をこれを書きながら思い出しては再び涙してしまいます。

何不自由なく育てただろう娘がテロリストとしてFBIに追われ音信不通になり、思いがけず目の前に現れたと思うと孫を託したいと頼み、また消え去ってしまう。
アニーの父親の何ともやり切れないといった表情も忘れることができません。

最後に...
久しぶりに見ても、リバー・フェニックスは変わらずこの映画の中で輝いていました。
その後、彼がドラッグで命を落してしまったことを今でも悔しく思います。
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