AND NEVER LET HER GO (2001)

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画像は、US盤DVDジャケット。
日本では、DVD/VHS共にリリースされていません。

ShowTimeで配信中のマーク・ハーモンの「AND NEVER LET HER GO」を見ました。
ShowTimeへのリンクは、以前の紹介記事をご覧ください。こちら⇒http://dramanut.blog102.fc2.com/blog-entry-206.html(トレイラー的ファンビデオも紹介しています。)

とにかく、これは、実話に基づくもの。
その為か派手な脚色がないだけに、かえって、トム・カパノに対して、よくあそこまで人を欺き支配し尽せるものだと背筋が凍るような思いがしました。
そんな支配的で傲慢で冷酷なトム・カパノ役にマーク・ハーモンが怖いぐらいにはまっていたのが、今でも信じられない感じです。
彼の目...特に、ラストに見せる彼の透き通ったブルーの瞳はとても美しくて、それだけに、その奥には人間性の欠片もないトムの本性に震えを感じさせられます。

キャスリン・モリスも愛情を求めるばかりにトム・カパノに人生を翻弄されてしまうアニーを好演していて、彼女の全編を通しての語りも印象的で、ずっと耳に残っています。
歳月の流れを感じさせたものの、トムに翻弄されたもう1人の女性クリスティン役のレイチェル・ウォードも存在感がありました。

ここからは、ネタバレ込みの感想です。
信心深いアニーことアン・マリー・フェイヒは、幼くして母親を...次いで後を追うように父親を亡くしていました。
その後、姉と兄に大事に育てられながらも、孤独を恐れ、愛情に飢えていたアニー。
そんな彼女が出会ったのは、やり手弁護士で地元の名士でもあるトム・カパノ。
妻と4人の娘がいる中年の男。
アニーは、自分の孤独を理解し共有してくれる彼に惹かれるように。

トムの財力や権力を使っての援助をアニーは心底自分のことを気にかけてくれていると感じるけれど、同時に息苦しさも感じることに。
でも、援助を拒むことはトムを傷つけることだと罪悪感が...
また、彼女自身の弱さがトムに助けを求めてしまうことも。

それも、トムが自分だけを愛していると信じればこそだったのでしょう。
ところが、トムが"愛情"を与える対象はアニーだけではありませんでした。
20年近くに渡って関係を持ち続けていたクリスティンという女性がいたのです。
そのクリスティンも、また、トムは自分だけを愛していると信じていました。

トムとの関係を終わらせたい...強くなろうとし始めたアニーは、今度こそ自分にピッタリと思えるダンと出会います。
ところが、同時に、トムのストーカー行為が...
トムに支配されたくないと思いつつ、罪悪感も感じているらしいアニー。
それでも、勇気を振り絞ってトムに決定的な別れを告げるべく彼のディナーの誘いを受けます。

その為に、念入りにお洒落をしているアニーが、痛々しくもあり、でも、最高に綺麗でした。

そして、彼女は、トムの車で出かけた後、消息を絶つことに...

女性の心の傷につけこむのが、トム・カパノの常套手段。
トムにとって、女性は彼が支配する世界の駒の1つ。
でも、彼が傲慢で冷酷な本性を見せるのは、女性が反抗した時。
そんな本性が見えても、アニーはトムを孤独で可哀想な人と思い、クリスティンは彼の愛情を信じようとします。

アニーが失踪し、遂に、クリスティンも目覚める時が来るのだけど...本気でトムのことを愛していたことを思うと、彼女もとても不憫でした。

遂に、クリスティンにも見限られ...

「僕は傷ついた。」

彼には、自責の念など欠片もありません。
ただ、自分が支配する世界の崩壊に呆然としているだけなのでしょうね。

眼鏡を掛けている時はあまりマーク・ハーモンを意識せずに見ることができたのに、何故か眼鏡がないと...特にラストの留置場でクリスティンと面会する場面では、どうしても意識してしまい、クリスティンの心の痛みに強く共感してしまいました。
あの瞳で人を欺いていたとは信じたくなくて...

カパノの4人の娘たちが可哀想です。
あの祖母と暮らしていないことを願わずにいられません。

アニーがカパノによって殺されてしまったのは疑いようのない事実のようですが、殺人の描写が全くなかったのが、わたしには救いでした。
トムの非人間性を描くには、あれで十分だったでしょう。

見終えて、何より思うのは、アニーが不憫すぎるということ。
そして、残されたお姉さんとお兄さんがどんなにやりきれない思いでいるかということ...
その上、遺体が見つからないままなんて...

アン・マリー・フェイヒさんの冥福を心から祈ります。




18:45 | マーク・ハーモン | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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comments

#
KEIさん、こんばんは〜

実話というのが、なんともやり切れなく怒りを感じた映画でした。
キャスリン・モリスの笑顔と語りは心に耳に沁みました。
犯人役にマーク・ハーモンだなんて・・・
私の中では、どうみても正義の人で、嘘を突き通し手錠をかけられる犯人役は似合わないはず・・と・
でもKEIさんと同じく、あのメガネをかけたハーモンが
傲慢で冷酷、嘘つきでストーカーなエリート弁護士になりきっていて
とにかく驚きでした。

トムに翻弄されている彼女たちの隣人は、彼の嘘を見抜いているのに
私だけは違うと思わせてしまうトムの手腕(?)は悪魔の才能ですね。

最後、留置場でのシーン。メガネをはずした綺麗な目をしたハーモンのUP。
一瞬「わっ 綺麗な目♪」とドラマを忘れたのですが、
「僕は傷ついた」の言葉に凍りました。この人は救いようの無い自己中な人間。
アニーさん、もうすぐ本当の幸せをつかむ所だったのに・・(涙)
ご冥福をお祈りいたします。

見た後やりきれなく寝付けなくて、、NCISの裏側でのギブスの大笑いを
なんども見て、ようやく眠りにつきました(笑)







by: Yuki | 2008/02/19 20:40 | URL [編集] | page top↑
#
Yukiさん、こんにちは。

>実話というのが、なんともやり切れなく怒りを感じた映画でした。

本当にあんなことが起きてしまったのだと思うと、やりきれなさで一杯になってしまいますよね。

>キャスリン・モリスの笑顔と語りは心に耳に沁みました。

自ら何も語ることができなくなってしまったアン・マリーさんの思いを代弁した訳ですが、キャスリン・モリスの好演が光っていた作品でした。

>犯人役にマーク・ハーモンだなんて・・・

手錠をかけられるシーンは、かなりショックでした。
眼鏡を掛けてくれていたのが、せめてもの救いだったかな...

>あのメガネをかけたハーモンが 傲慢で冷酷、嘘つきでストーカーなエリート弁護士になりきっていて とにかく驚きでした。

彼、もっと昔にも"実在の"テッド・バンディという連続殺人犯の役を演じていて、そちらも見事になりきっていたそうだけど、役者としては演じ甲斐があるのでしょうか。
(テレビ映画"The Deliberate Stranger"(1986)で、日本では「ダブルフェイス」というタイトルで放送されたかどうかは不明だけどVHS化されています。)

>最後、留置場でのシーン。メガネをはずした綺麗な目をしたハーモンのUP。

あの段階になって、彼の瞳に見惚れてしまうなんて...と、怖くなりました。
でも、本当に綺麗で...

その後に、あの台詞↓が来て、心底、凍りつくことに...
マーク・ハーモンあってこその演出ですよね。

>「僕は傷ついた」の言葉に凍りました。この人は救いようの無い自己中な人間。

自責の念を、その後も見せることがないみたいで...
台詞にもあったけれど、人間の皮を被ったモンスターです。

>アニーさん、もうすぐ本当の幸せをつかむ所だったのに・・(涙)

トムのような悪魔と先に出会ったからダンの本物の愛情に気づくことができたのか...失踪する直前までは束の間でも幸せだったのだと思わないと、本当にやりきれないですよね。

>見た後やりきれなく寝付けなくて、、NCISの裏側でのギブスの大笑いを
なんども見て、ようやく眠りにつきました(笑)

わたしは、深夜のシーズン2再放送で不機嫌な顔をしていても人間味たっぷりなギブスを見て癒されました♪
by: KEI | 2008/02/20 11:23 | URL [編集] | page top↑

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